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圏外日誌
The Un-Earthly Reports
99年 22月 前期


992215(鬱)
 はっはっはどうやら鬱ですよはっは。この銀河の全存在に対してネガティブになっていちんちずーっとうだうだしてたんですはっはっは。ヒーッヒッヒ。

 9時ごろ目が覚める。12時頃まで布団に包まっている。いい加減空腹に耐えかね起き出してカップスープをすすり、ネットで人生に対してまったく意味の無い情報をすする。これではいかんと思いシャワーを浴びる。が、またベッドに戻る。気がつくと4時過ぎで、3時半に始まるテレビアニメ ディルバート を見逃す。7時から フューチャラマ の第2シーズンプレミアを観る。ザ・シンプソンズの作者が送るSFアニメで、幻想に近い期待をしているのだが、実際観るとやはりテンポのダメさ加減が目に付く。腹が減ったのでインスタント味噌汁を飲む。電気をすべて消して、テレビでCNN インタナショナルの音声だけは入るスクランブル放送をつけっぱなしにして、ベッドに入る。


992214(ノーベル平和賞)
HSK:漢語水平考試(要は中国語検定)つうのを受けたけど、ぜーーーーーーったい落ちてると思う。ちなみに聴力問題で「喋ったひとの職業はなんですか」という問題があったけど、選択肢として「門番」「明星(スター)」「天皇」つうのがあった。いくらなんでも天皇はねーだろ天皇わ。と言いつつ3分ぐらい独りクスクス笑ってましたが。

 韓国の大統領がノーベル平和賞。あいかたはっつうと……、なんかすっげえ可愛い

 朝鮮日報日本語版は非常に面白いです。こんな漫画も読めてとってもお徳。ハングルの読みかた(&コンピにハングルフォント)さえ知ってれば、原版と比較させて勉強にもなる。なにしろ韓国語文法は日本語とほぼ同じ。

■朝シリアル。■昼飲茶、新世界酒楼にて。大阪にあるヤバいとこちゃうくてニュージーランドの立派なレストラン。特に美味しいと感じたものもなかったが、ハズレでもなし。店内はみかけによらずデカイ。■夜パスタ。


992213(憶えてない)
 なにやったか憶えてない。

 いまもう修正しましたがね。きのうの日記で「パレスティナ」を「パレスティ」と書いてたんですよ。あーまた恥かしいことをしてしまった。中身が一応たりとも真面目なだけに腸が捻くれ転がるほど恥かしい。これは最初に無意識のうちに「パレスティニア」と書いていて、後で気づいて慌てて「ニ」を消したんだけど、「ア」を修正し忘れちゃった、というミスでございます。いや解説してなんぼってもんでもないんだけどよう。ほらもう午前4時だったしよう。かんにんしてくれよう。

■何食べたか憶えてない。


992212(英語を習う価値)
 ニュージーランド地方時深夜28時30分(翌日4時30分)。チャンネルはBBCワールド。物凄いものを見ている。聞いている。イスラエル軍によるパレスティナ自治領をヘリ攻撃の臨時ニュース。

 今回のBBCの報道の構成は素晴らしい。ロンドンとエルサレムのスタジオからの情況説明、レポートの後は、画面では事件の映像を無声で流しながら、別録音声で双方のスポークスマンのインタヴューを交互に流している。ホバリングしながらロケット砲撃する戦闘ヘリ。道への着弾の瞬間(衝撃波に一瞬遅れて炎が横に噴出すのが見える!)。銃を抱えてなにかを叫ぶパレスティナ人の若者。狂ったように走る救急車。これら映像が延々とリピートするなか聞こえる、双方の代表の声の迫力よ。イスラエル軍スポークスマンはインタヴュアのあえてパレスティナよりの質問に怒気をあらわにして、しかし最大の理論をつかってパレスティナの非を指摘する。

 そしてパレスティナ人の弁務官は、同じインタヴュアーのこんどはイスラエルよりの質問に、次第に感情的になりながらも同胞の弁護とイスラエルの非難をする。インタヴュアーの「イスラエル兵のリンチが防げればこのような状態に為らなかったのでは?」という冷たすぎる質問に、彼の声はほとんど涙声になりながら叫ぶ。「いったいどのような理論でそんなことが言えるのです!? パレスティナでは既に100人が犠牲になっているんですよ! これが、これが彼らの罰なのですか!? 土地の8割を諦めて、それでもやっと独立の為に、港を作り、役所を作り、やってきた罰がこれですか!」

 圧倒的な言葉のちからだ。イスラエル側もパレスティナ側も、ヒトの命が失われているのだ。彼らの言葉は、フィクションのドラマでなく、本当に、その失われた命を背負っているのだ。あがなえない説得力と「感動」がある。不謹慎は重々承知だけど、この言葉を聞くためだけに、英語を習う価値があると思う。外ではホンモノの戦争やってる連中の、これ以上有り得ない言葉の真剣勝負を、目の当たりに聞いている。

■朝シリアル。■昼ポンソンビ・パイ、タイチリ味。■コッチュジャンの鍋っぽいの。ミンソクチョン(民族村)で。


992211(ノーベル化学賞)
 白川英樹つう博士が「伝導性ポリマー」という物質の開発・発見でノーベル化学賞を獲ったそうですが、同時に受賞した残り2人のひとり、アメリカはペンシルベニア大のアラン・マクダイアミッド教授は、実はニュージーランド人、だそうで。まあ日本のメディアじゃまったく注目されてなくて誰もがアメリカ人だと信じてましょうが、私の目の前のNZメディアでそう報道されてるんで、そうなんでしょう。例え永年ペンシルバニア大学教授としてアメリカに住んでいても(教授当年78歳)。で、当然ながらNZの報道では伝導性ポリマーはすべてマクダイアミッド教授のお手柄! つうことになっております。残りのふたりに日本人がいたことなんか全く報道されてない。ま、そりゃそうよね。

 しかし受賞の報道、夜のニュースではトップでなく4番目ぐらいだったんだけど、これはやはりニュージーが日本以上に科学に興味が無いからなのだろうか。

■朝シリアル。■昼びんぼうソーセージ2つ。■夜ベトナム料理。エリオットストリートのいつものところで。


992210(よく憶えてない)
 うーんなんだかよく憶えてない。普通の1日だったんだろう。

■何食べたか憶えてない。


992209(フリーマン ダイソン)
 ニュージーランド TV1 のモーニングショウ「ブレックファースト」に、フリーマン・ダイソン博士が唐突にゲスト出演。ぼやーとシリアル食べながら見てたからビックリ。国際会議かなんかで来たらしいけど、こんな国で実物を見ることになろうとは……。

 ダイソン(ダイスン)博士は高名な宇宙物理学者。様々な分野の科学について考察と啓蒙をしてるえっらいアタマのええヒトなんだけど、特にSF関係で有名なのはスタートレック:TNGで映像化された「ダイソン球天体」。惑星を潰して材料にして太陽をすっぽり覆う球殻を作って内壁を地面として住めば、面積は地球の10億倍だし太陽エネルギー100%利用可能だヨという究極の建造物で、まあ文明の最終的な進化の姿ということで哲学的にも意味がある。これを書くのは少々恥かしいんだけど、僕はスタートレックでダイソン球天体を知り、そこからラリイ ニーヴンの小説「リングワールド」を知ってSF小説を本格的に読むようになった。んなわけで、ダイソン博士は僕にとってSF入門の鍵であったわけだ。おおそうそう、娘のエスター ダイソンはネット界のカリスマだそうだ。そして息子は「カヌー」の世界的権威というヘンな一家。

 んなダイソン博士の動く姿をはじめてみたんだけど、さすがにエッライじいさんや。こんな姿だろうとは思いもよらなかった。白髪で耳と鼻&眼鏡がデカイひょろひょろの顔。そしてかなりイタいのが、このひとロレツがちょっと回ってない。歳ほど残酷なものは無い、か。もちろん外見や発音に関わらず思考は明晰っぽいんだけど、インタヴューそのものは僕にとっては相当退屈で残念だった。なんせインタヴューする司会者の男がテレビに出演させるのは絶対許せないクラスのとんでもねえ傲慢な馬鹿野郎で、エラそうな態度でアタマ悪りい質問を連発。(「僕のでは、 知性が異なるものでは存在も我々に解らないのではないかと思うんですが」とか。なんにもわからないから調査するんだろが!)そんなんに答えるダイスン博士のセリフも、まさに何十年も繰り返されてきた定型句のみ。それ以上の何かが、ちっとも見えなかった。せっかく凄いヒトがテレビに出てきたのに、もったない。馬鹿傲慢アナウンサーはもう2年間我慢してきたが、きょうというきょうは許せん。あした届く封筒に入った剃刀はその濃いヒゲを剃れという意味じゃない事を理解しておけ!

■何食べたのか憶えてない。


992208(電球)
 色々あってどよーんとした気分でアパートに帰ってきて、やれやれ。と喉の奥で意味も無く呟きながらライトのスイッチを入れると、一瞬置いて バッ と音がした。電球が微塵に爆散して降ってきた。スイッチ押しすがら体は既にトイレの方に入っていたので助かったが、もし尿意を催してなかったらいまごろ真上からガラスの洗礼を浴びていたところだ。当然ながらブレーカーが落ちた。真っ暗になったキッチンを兼ねた短い廊下はガラスの破片が撒き散らされ、さながらヴェトコンのトラップだ。タダでさえ気分が悪いときになんじゃこりゃ!

 かろうじてトイレの中にあったブラシで漸次ガラス除去することで難は免れたが、このアパート、まったく色々とヘンな事が多い。いや向かいの部屋のマリファナ中毒者とか隣の部屋の一家6人アパート住まいとか下着姿の徘徊おばちゃんとか、他の部屋のことじゃなく、自分の部屋自体に問題がある。

 恐らくアパートの電気系統がどこかで悪いと思うんだけど、例えば夜中に突然テレビがついたりする。或いはたまに、ヴォリュームが突然最大になったりチャンネルがリズミカルに切り替わったり。ほかにはいち度、キッチンストーブ(ガスコンロの代りの電気のヤツね)がオフになってるのに最大熱量を放出していたことがあった。コレは音や臭いが無いもんだから気づかずに放置してしまい、夜中に部屋の暑さで目が覚めて気づいた時には、プラスティック製の電気ポットが溶けかかってた。あとは、冷蔵庫の中からコリコリコリコリという異音が聞こえつづけたり、突然洗濯機のふたがバンッと撥ねあがったり、とか。電気系統なのか個々の故障なのかはっきりしないけど、まあウザったいし時には危険だ。何とかしたいが、もとから備え付けの家電だしなあ。

↓この上の部分
臭い
 電気関係の調子が悪くなったのはアパートに入って2ヶ月ぐらい経ってからで、その前は前で別の問題があったりした。キッチン兼廊下と奥のリビングの鴨居にあたる部分なんだけど、80センチぐらいの厚さの空間があって、そこがひどく、におうのだ。どうも何かの収納スペースになっていたようなんだけど、板が嵌められネジ止めされた上にペンキを塗られているので、中を確かめることができない。契約したばかりだし、におい程度で出ていくわけにもいかないのでほっておいたけど、ある日その板の隙間から50センチぐらいの細くて黒い、なにか髪の毛みたいなのが垂れ下がっているのに気づいた。うざったいので取ったんだけど、次の日気づくとまた出ている。取るとまた出る、取るとまた出るの繰り返しで、ホントにイライラさせられた。それがしばらく経ってやっと出なくなり、臭いも治まったなあという頃に、こんどは電化製品トラブル。災難続きとはこのことだ。

 しかしいちばん参ったのは電気関係でなく、水まわりだったりする。あれはまだ憶えてる、確か先月の20日か21日頃だ。その日も例によってどんよりと帰ってきて、気分転換に熱いシャワーを浴びていたんだが、水が急に止まってウギュルルという水道管の奥で詰まる音が聞こえたかと思うと、だーーっと、赤い液体が降ってきた。まず先に、イカの塩辛を腐らせたとでもいえばいいか、強烈な生臭さを感じた。続いてその生暖さと、視界を染める渋みのある赤の色。そしてその感触は、ドロドロでもサラサラでもない、純粋にヌルヌルとでも言えばいいのか。女性の経血だった。

 驚いて逃げようとしたが、溜まったヌルヌルに足をとられて尾低骨をしこたま打ち付けてしまった。痛さで何も出来ず赤い雨のなかにうずくまり、しばらく呆然としていたが、気づいた時にはシャワーはもとの水に戻っていた。そのあとは懸命に掃除をしたのだが、生臭さだけは1週間ぐらいとれなかった。この経験に比べたら、電球が爆発するぐらい、どうってことはないのである。液にまみれた顔をぬぐった時の、ヌルリとした感触が、今も忘れられない。

■朝食べず。■昼コンチネンタル社のパックライス、インド風味にツナ缶ときのうの残りのパセリを炒めてよく絡めて、おまけに目玉焼き。■夜サテ&ライス、ダウンタウンのフードアレイ、インドネシア料理のブースで。サテは旨いが付け合わせが乏しく夕食には物足りない。ソフトクリームをデザートで食べた。


992207(フツーの土曜日)
きのうかなり活動したんで、昼過ぎに起きて午後は勉強するフリしてダラダラして、そんだけだった。テレビは クリス カーター 製作の ミレニアム の第3シーズンが始まったが、3分で観る根気が無くなる。ごめん。X−ファイルより上品にまとまったシリーズだが、やはりとっつき悪さはいかんともしがたいなあ。シリーズきっちり連続して観れば面白いとわかってるんだけど。

■朝シリアル。■昼パスタ、NZ特産のココ貝(ひとまわり大きいハマグリみたいだが、身は逆に小さい)にタカの爪、パセリで。美味。■夜炒飯。クィーンストリート上のアジア食堂街にある韓国系の鐡板炒飯 J&J というところに挑戦。シーフードコンビネーション炒飯は、うーんべったりとしてあの値段には値しない。キムチ炒飯は美味だったようだ(個人的にキムチは酸っぱさがダメだもんで……)。■デザート、男2人でその食堂街にあるキュートにコ洒落たアイスクリーム&ワッフルの店に入る。日本のパフェとはいかないが、それに近いグラス入りアイスが何種類も。モカなんちゃらを頼んだ。嫌がらせのようにゲラゲラ大声で笑いながら食べた。しかし「ラヴ・ミー」なんて名前のんがあったが、頼む時は「ラヴ・ミー・プリーズ!」というのだろうか。ウェイトレスが可愛い韓国人のおねえちゃんならいいが、むっさい男だと逆に殺意。


992206(ニュージーランド動物園)
 授業は午前中のみなので、3時過ぎから動物園に行ってきた。郊外にあるウェスタンスプリングスに着くと、変わり気味だった空は見事に快晴。絶好の動物園日和。動物園敷地外の広大な公園でまったり寝そべるのも魅力的だけど、来たからにはやはり動物! 男だったら動物!

 そんなわけで、今回コレはウェブ日記としてはあんまりやるべきじゃねえよなあと思いますが、写真中心日記です。ところでこのニュージーランドはオークランドの動物園、印象としては国そのものと同じく小ぢんまりした感じなんだけど、実際歩いてみるとかなり広くて疲れるんだな。

 コースとしてはまず入ってニュージーといえばの飛べない鳥、キゥイの飼育舎に入る。夜行性の鳥なので中は真っ暗にしてあって、次第になれてくるとガラスの向こうで忙しなく地面をほじくるキゥイが見える。はじめて見るひとは大抵ビックリするんだけど、こいつかなりデカいのだ。30センチ以上はあるとおもう。そして足が速い。しっぽもはねも無い横倒しのヒョウタンみたいなのが、かなり大またでスタンスタンスタンスタン歩くのには、ひどい違和感を感じるだろう。後ろ姿を見るとデブのおばちゃんのケツだけが歩いてるみたいだ。不気味。勿論のコトながらフラッシュ撮影禁止。

ワラビー
あに見てんだよォ
 そこを抜けると、とりあえずは旧世界猿だの鳥だののコモノの檻が続く。園のまんなかあたりに来るとトラやレッサーパンダがいる。レッサーパンダは、僕よりちょっと上の世代は誰でも「憶えている」のに、僕より若い世代は誰も知らないという動物。「おかあさんといっしょ」のじゃじゃまる・ぴっころ・ぽろりの前の世代の着ぐるみが、コイツだったんですね。この世代のヒトは、あーあーあーと思い出し、幼少の記憶にむせび泣く動物ナリ。ちなみにアナグマみたいな小型のパンダ。赤茶色の地に白のパンダ模様で、尻尾がふさふさしているのが特徴。英語の名前は「レッドパンダ」になってる。更に進むと奥のほうには「ワラビーのこみち」と名づけられた敷地があって、その名の通り放し飼いになったワラビーを直接観察できる。さすがに触ったりしたらあかんやろけど。セロリぼりぼり喰ってました。カメラ向けたら目線を合わせた。プロだ。

アシカ
だらーん
 更に進むと巨大なゾウガメやらミーアキャットやら、オオムのたぐいなんぞがある。あとまたサル。サルとトリが多いのがこの園の特徴。まあニュージーランドは本来哺乳類のいない島だったわけで、当然といえば当然。ちなみにヘビも存在しないため、珍獣として神々しくガラスの向こうに鎮座しております。ホンモノのヘビを見たことのあるニュージーランド人は少ないんだな。で、この辺まで進むと、どこからともなくオウオウオウゲーウアウオウという声が響いてくる。アシカだ!

 この動物園のアシカはかなりお気に入り。池が柵を隔ててすぐ目の前にあり、ばっしゃんばっしゃん泳ぎ回るアシカが間近に見られる。給餌の時間に遇えば最高。きょうは時間が遅かったのか、みんな陸に上がってごろごろ昼寝してたけど、でけえカラダのクセに愛嬌ありまくりの泳ぎっぷり&マヌケな声は、正直かなり可愛い。目があうと男でもヤバい。可愛さに落される。ちなみにすぐ近くのカワウソも可愛い。いつも群れてるのね。

 その後はだんだん例の「動物園のにおい」がするようになってきて、カバ・ゾウ・ライオン・サイ・キリンとお決まりの巨大動物サファリゾーンでクライマックスを迎えるわけだけど、今回最大のヒットは別のところにあった。サルだ。

藤棚の上にたたずむ
風格良し
好奇心旺盛
群れで襲う
クッキー奪取失敗
べたっ

 むちゃくちゃ小っちゃい、それこそ肩の上に乗りそうなサルが、園内で放し飼いになっていた。たぶんなんとかタムリンだかいう種類だと思うんだけど、もともと「マクドナルドのレインフォレスト」(言わずもがなマクドナルドがスポンサー)というサルの放し飼いコーナーにいたのが、サル知恵つかって区画の外にまで逃げ出したものだと思われる。写真では黒くてわからないけど、顔は彫りが深く小さくとも知性を感じさせるつくりで、オールバックの白髪。耳には認識用のピアスまでしていて、かなりファッショナブルでカッコいい。

 こんなんが他の小動物のガラスケースの上を群れでたたたっと飛び交い、人間の近くまでやってきてしげしげと眺めるわけだ。なにか違った知性との遭遇を感じてしまう。思わずクッキーを手に持って差し出すと、長い尻尾を使って藤棚からびよーんと降りてきて、人間の親指の先ほどの手でしっかりキャッチしてゆく。おお、感動。調子に乗ってなんどもやってたらいい加減サルは緑色の糞を落として去ってゆき、代りに現れた飼育員のおばはんに「エサをやっちゃダメに決まってるでしょっ!」とこっぴどく叱られた。……サルに嵌められた?

 そんなわけで、久々の動物園、実に満喫してきたのでした。

■朝シリアル。■昼びんぼうソーセージ。■夜焼肉。すぐ近くのコーリョージョンはオークランド最高と我々が判断する店。そのぶん値段も張るが、食べた量がそれほどでも無かったしアルコールも入れなかったんで、4人で行って20NZD程度で済んだ。あんな美味しいタンが予算たった1000円ですぜゲヘヘ。■深夜そばを茹でてみんなでつつく。つゆは粉末、具は無し、そもそも麺はざるそば用の茶蕎麦だが、最高の夜食だった。


992205(乳がん週間)
先日のエミー賞を総なめにしたドラマ ウェストウィング、放送4回目にして既に2度も見逃してしまった。第1話もどこに録画したか憶えてないし。くー。

ピンクスカイタワー
ますますポルノ
 先週末から窓の外のスカイタワーがピンクになった。いままで青 赤 黄 緑 様々な色の照明で照らされつづけ、しかもそのどれもがまったくお世辞にも似合っていなかったという悲劇的なランドマークは、今回に至ってアル中の幻覚みたいな様相を呈してきた。なんども書くけど、これで高さ315メートルある。タワーのすぐ向かいにアパートがあるんだけど、そこはもう悲劇というか喜劇だろう。毎晩毎晩ピンクの光で満たされ10ヶ月後はベビーブームだ。

 しかしニュースによるとこの異常な色にはいちおう理由があるらしく、「世界乳がん週間」のアピールの一環だそう。乳がんの認識を広めるために、パリのエッフェル塔もニューヨークのエンパイアステートビルも同じ照明をするとリポーターは誇らしげに言ってたけど、どうもこの色、乳がんつうよりゲイの色だよなあ(安直)。ちなみに同じ目的で、ニュージーランドのトップデザイナーによるブラのファッションショーも行われたそうだ。乳がん患者の為にゴージャスブラ&美乳モデルって、嫌がらせかそれわ。

 ERの第6シーズンだったか第5シーズンだったか、乳がん患者がテーマになったことがある。ビデオ全録してないんでハッキリ思い出せないんだけど、ドクター・カーターの恋愛を絡めた数話連続のプロットだった。

 彼女と次第に親密になったカーターが、セックスのときに胸のしこりに気づき、乳がんが発覚する。カーターの強い勧めで除去手術を受けた彼女は、術後、カーターの前でブラウスのボタンを外す。垣間見える彼女の左胸にふくらみは無く、代りにくっきりと、ノの字の大きな傷跡が見える。彼女は静かに泣く。

 このシーンが、ひどく残酷で、かつ美しく、印象に残っている。ピンクのスカイタワーよりよっぽど、乳がんに関する感心が高まったと思う。(ちょっと記憶があやふやで実際のプロット構成は少し異なるかもしれない)

 あとこのシーン、どうやって撮ったのかも気になる。役者は本当に乳房切除を受けた乳がん患者だったのか(可能性は十分ある)、それともSFXで乳房が無いように見せたのか。うーんどっちやろ。

■朝シリアル。■昼びんぼうソーセージ+フィッシュ(イギリス料理フィッシュ&チップスの、白身魚フライのみ)。■夜チーズクリームデニッシュ、スターバックスにて。栄養失調まっしぐら。


992204(クローン人間の楽しみ)
 昼間は風は強いが実によい天気。こんな日には、動物園に行きたくなる。ああもう長いこといってないなあ……。4時ごろにわかに大雨。

 クローン人間製造禁止法なんつうホンの5年前まではSFの設定だったろうモノが、ともすれば戦前生まれのオッサンたちによって成立させられようとしてる。それだけでオモシロいんだけど、仮にいま、もし誰かが秘密の実験室でクローンの子供を造ったとして、その人間は成長してその存在の原因が当局にバレたとき、存在自体が違法になるんか。造った誰かは製造責任に問われ、造られた人間は物証として法廷に提出されるんと違うか。うーん、20年後の法廷ドラマが楽しみ。誰か造ってくんないかな。

 つうか、それこそこんどの法案はそういった事態を予防するために作られるんでしょうが、実際法案のいちばん最初にある条項はなんかやっぱり、「造られてしまった人間にも、自由で平等な生きる権利が保障される」と念を押すものであるべきでわ、と。もしもの場合に備えて。

■朝シリアル。■昼カップ麺。■夜カレーパンとジャムデニッシュ。ロクなもん喰ってねえな。


992203(人間機関車と子供の残酷)

 戦後20年ぐらいの歴史が好きなのは、それが僕にとって、「現在」と「歴史」との裂け目にある、見えない時代だからだ。僕の基準では、第二次大戦つうのはカンペキに「歴史」の一部なんだけど、それがどんな感じで「いま」という世界に変わっていったのか。それを知るのが楽しい。んで、この歴史の一部のようで歴史になりきってもいないフシギな時代を描いた本を読むと、ついつい生き証人に色々と話しを訊いてしまう。ウチの母親のヒトだ。

 あの時代でいちばんハデで楽しいのはやっぱ政治だと思うんだけど、それについて訊くと果たして当時子供だった(とはいえ物心はとうについていたが)母親のヒトも確かに、『アンポ・ハンタイ・キシヲ・タオセ』がどんなものか憶えており、更にこんなことを言った。「あのころはホラ、遊びが無かったから? テレビやら、大人の話を聞いたりしたのが、意味はわかんなくてもそのまま子供の世界にきたりするじゃない」
そうして、母親のヒトは厳かに、作詞 北原白秋、作曲 山田耕筰の童謡「まちぼうけ」の替え歌を歌い出した……

アサヌマさん アサヌマさん

きょうもせっせと えんぜつかい

そこへウヨクが やってきて

 ……ここまで聞いたところで腹抱えて爆笑してしまい、続きを聞くことは叶わなんだ。社会党委員長浅沼稲次郎が右翼テロによって刺殺された事件(1959)を歌ってるんだけど、子供の歌う歌かよコレ! いやーホント、子供っていつの時代も残酷だなあ。母親のヒトの歌う童謡そのものもインパクトがあったんだが。こんど帰国した時に、是非とも全コーラス聞いてみたい。

 しかし子供子供て、その浅沼さん(演説家にして別名人間機関車)を刺しちゃったのも17歳の少年か。いまの「狂った17歳」たあ狂いっぷりの次元が違うぜ。すげえ時代だ。

■朝シリアル。■昼フライドチキン&ポテト、学校のメインカフェで。油ギトギトの最悪だと解っているのに、ほかにもう食べるものが無くついつい買ってしまう。■夜日本食。某レストランがメニュを全面改正して「居酒屋風ファミレス」みたいになった。味もズバリそんな感じだが、価格は確かに安い。平日でアルコールを摂らなかったせいもあるけど、わりとごちゃごちゃ頼んで15NZD(750円)。


992202(マラカスそしてタンバリン)
 日記のレイアウトをまた少し変えました。見られるでしょうか? 報告お待ちしております。

 ニュージーランドに住むようになってゲーセンなんて殆ど行かなくなったんですが(ド田舎孤島なのでロクなゲームが入ってこない。4年前にインドネシア旅行したら、ジャカルタのゲーセンの方がぜんぜん種類豊富だった)、日本じゃ「マラカスゲーム 」に続いて、おんなじノリで「タンバリンゲーム」まで出るそうですな。実際プレイしたこと無いんでアレなんですが、情報を見る限り、かつて打楽器に10年間触れつづけてきた人間として、憤りを憶えます。オマエらマラカスやタンバリンをナメんじゃねえ

 マラカスを「ラテンのノリだ!」とか意味不明の信条を持ち出してむやみにガシャガシャ振りまわすのは、正に外道の浅ましさである。あの楽器はちょっと猫背に構えるぐらいの姿勢で、肘から先を水平にして持ち、中身の弾をほんの少しだけはじき上げるように腕をぴくりと動かして、横にしたマラカスの瓶の下になった部分にだけ当てて音を出す。上に当たって音を出してしまえばテンポは乱れる。そうして チャッ・チャッ・チャッ……という比較的ゆっくりなテンポで乾燥した抑えめの音を出すのが、マラカスサウンドの第一歩なのだ。上下両方に弾を当てて音を出すのはよほどテンポの速い曲で、殆どの時間空中に浮いている無数の弾をコントロールする微妙な技術が必要である。まして楽器を上に掲げてジャラジャラとやるのは特殊な演奏技法でしかない。腕ごと楽器を大きく振って同じようにテンポを作ることが出きるが、これもテンポキープが難しいうえ音がべったりとしてしまい、それこそ世間で気軽に言われる「ラテン」の小気味良さからは離れてしまうだろう。

 さらに困難なことに、科学的にみるとマラカスの弾は粉流体構造になっいてカオス現象を引き起こすので、例えスローテンポで一定の動作を繰り返してリズムと音をキープしようとしても、ある時突然音が大きく乱れてしまうことがある。その発生をいかに早く感知して、微妙な腕の動きでそれを抑えるかが、またポイントなのである。真のマラカスプレイヤーとは、カオス理論に精通しその物理現象を人間の感性と熟練技術で操作する、まさに天才なのだ。

 タンバリンも然り。カラオケなんかでイェーとか言いながら振りまわすのは雑音以外の何者でもない。タンバリンに対して失礼である。テンポ、リズム、強弱、曲のジャンルやイメージなどあらゆる条件を考察した上で、情況情況によってダイナミックに操作方法が変わってくるのがタンバリンだ。数ミリ単位の余裕の中で動くリム(木枠の角)に付けられたシンバル群を、どのようにリズムキープに、或いは曲中の演出として使うかがポイントである。振るなら手首を捻るように振るか、それとも縦に腕ごと振るか。叩くなら指先で軽く叩いてリズムを出すか、ナックルで殴るように叩いて音を出すか。膝に乗せて両手でも叩けるし、スタンドに付けてリムをスティックで叩くのもポピュラーだ。曲中のタイミングと叩き方次第では、タンバリンは巨大なドラよりもよほどインパクトのある音になる。

 またタンバリンにもトレモロ(ロール)という技法があり、これは他の打楽器のそれより数弾難しい。親指をヘッド(皮を張った部分)に押し付けリムに沿って前進させることで、指とヘッドとの摩擦によるバイブレーションで、シンバルをザーッと鳴らすのだ。黒板にチョークを立てて当て、ダラララッと点線を書くワザがあるが、それを指でやると思えば良い。これは練習による積み重ねだけでなく、その説明不能の動きをコツを体で捉える感性、そして指の質さえ問われる演奏法である。ハッキリ言ってたまたま指先が乾燥質だったというだけで永遠に演奏の可能性が絶たれてしまう。ひとが楽器を選ぶのではなく、楽器がひとを選ぶのである。タンバリン、恐ろしい楽器だ。

 それからひとこと付け加えておくが、高級タンバリンのヘッドは、豚の睾丸の皮を伸ばしたものである。あれは良い音が出る。

 貴様らはそれでも、ゲームという下らん娯楽の為にマラカスやタンバリンを振りまわすというのか。反省しろ。

注:演奏法に関する解説、ましてマラカスの科学的構造解説は恐らく相当デタラメです。

■朝コーンフレーク。■昼コンチネンタル社のパックパスタ、チキンカレー味、マシュルームを入れて不味かった。■夜、ハリウッドベーカリのココナツロールとアンパン。すーはーすーはー。


992201(オリンピック閉幕/デリバリバージン)
 「オリンピックの閉会式ではジェット戦闘機が聖火を消す」と誰かが言ってたんで、てっきり聖火台に特攻してでっかい花火上げてくれるんかなあもう21世紀だしここらでヤツラ体育会系の世界代表はいちど根絶しといても。と思ってたんだけど、なーんだああいうことネ。火が消えると同時に上空をジェット機が低空で通ると、その噴射炎だけが見えてまるで火が空に消えて行くように見えると。なんか雰囲気的にはスタートレックのワープ突入シーンみたいな感じだった。

 しかし開会式んときは気づかなかったけど、ホントあのグラウンドの中身は各国最強レベルの体育会系が集まってるわけだ。そう考えると非常に不気味というか暑苦しくて身がよじれそう。海外生活の経験からすると民族の差より世代や性格の差の方がぜんぜん大きいわけで、同世代のスポーツ選手「だけ」が集まった会場のノリは、人類史上かつて無いほど体育会系なハズ。聖火が消えたのち10分以内に国際山手線ゲームが始まったと当方では予測。

 もひとつ閉会式。オープニングのアトラクションは良かった。会場内で壊れたバギーが暴走するスラップスティックコメディは、最初はすっかりダマされちまいました。だってオーストラリアやニュージーじゃあ現実にありそうなハプニングだし。これを逆手にとって、堅苦しさをブチ壊してのんびりとした田舎らしい雰囲気に持っていく手法には、純粋に感心。演出したヒト、南半球の「良さ」が解ってるじゃん。その後が長すぎだったけど。

 恥かしながら生まれて初めて宅配ピザというものを取った。ピザハットのセットメニュでラージピザ2枚にガーリックブレッドとペプシ1.5リットルが付いてる。最後のがいかにもガイコクですな。しかもピザにガーリックブレッドて、炭水化物ばっか。サラダを付けようとかいう発想はないのだろうか。まあぶちぶち言いつつもデリバリヴァージン喪失でかなりトキメいていたものの、ところがコレがいきなり大遅刻。初めての時は誰でもこんなものヨとは言いますがねえアンタ。45分以内にお届けというタダでさえルーズなリミットなのに更に遅れて、それでタダになるかといえば27ドルが20ドルになっただけ。いい加減にしろよバカハット! 冷めたピザ……。

■朝コーンフレーク。■昼コンチネンタル社のパックライス、サテ味。付け合せにアスパラガスを茹でて美味。■夜ピザ、トッピングはミートスプリームとチキンバーベキュー。




意見・批判 くださいな。
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