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Star Trek : The Next Generation
スタートレック:ザ ネクスト ジェネレーション


 ここにファイルするテキストは、かつてネット上で密かに流行していたという、「スタートレック:TNGの紛失したシナリオ」と呼ばれるものを、日本語に直したものである。現在でもネット上では無数の複製がアップされているようだが、オリジナルがいったい誰によって作成されたものなのかは、今もって謎である……。

 この日本語版は、筆者が複数の英語版(といってもどれも殆ど同じなのだが)を参考に、日本語吹き替え版をイメージして作成した。日本語でなじみやすい表現に近づけるため、また筆者の英語力の無さのため、部分的にオリジナルの直訳から大幅にずれている点があるが、その文章の意味(あるいは意義)は変わっていない。ご了承いただきたい。

 このテキストの著作権については、考えるだけ無意味だろう。また有名なパロディであるから、既により正しいく美しい翻訳が出回っているかもしれない。もしご存知の方がおられたら、ご一報いただければ幸いである。




Lost Episode
失われたエピソード

     惑星連邦の宇宙船 U.S.S. エンタープライズは、再び狡猾で残忍な宿敵「ボーグ」と遭遇していた。半機械、半有機体の種族「ボーグ」は、全体でひとつの集合意識で活動し、全てを自己に同化するためだけに存在している。エンタープライズはボーグの攻撃を受けたのち、ボーグのセンサーが貫通できない特殊な空間(だか時空の歪みだか)の中から監視を続けていた     

 

ピカード:ラフォージ少佐、ボーグの弱点は何か分かったか? データ少佐、奴らのコマンド経路へのアクセスはどうなってる?

ジョーディ:はい、艦長。我々は20世紀末のコンピュータに関する記録の中から答えを見つけました。

     ジョーディがキーを叩くと、モニターに何かのロゴが現われた     

ライカー:「マイクロソフト」? 一体なんだ。

データ:説明させて下さい。私たちは幾つかの理由から「ウインドウズ」と呼ばれるこのプログラムをボーグのコマンド経路から送ろうと考えています。このプログラムが一度ルートコマンドユニットに侵入すると、停止不可能なスピードでシステムリソースを使用し続けるのです。

ピカード:しかしボーグはそれに同化する能力を持っているはずだ。やつらは自分の記憶容量を増加させるために演算システムを書き換えないのか?

データ:そのとおりです、艦長。しかし「ウインドウズ」はこれを感知すると、「アップグレード」と呼ばれる自己の新パージョンを作ります。そのため、リソースはこの繰り返しで指数関数的に増加していきます。ボーグがこれについて行く事は不可能でしょう。最終的に彼らの演算能力は全てこれについやされ、通常行動操作は機能しなくなると考えられます。

ピカード:素晴らしい! これは「パラドックス図形」を上回る作戦だ。

 

     15分経過     

 

データ:艦長、「ウインドウズ」のコマンドユニットへのインストールに成功しました。予想通り直ちにすべてのリソースの85パーセントが消費されます。……しかし、予期された「アップグレード」は確認されていません。

ジョーディ:センサーによれば、ボーグの容量と中央演算ユニットのキャパシティは上昇しているんですが、まだそれに対する「アップグレード」の兆候がないのです。

ピカード:データ、艦の歴史記録をもう一度調べて、何かミスがあった場合の対応を考えてくれ。

データ:わかりました。「アップグレード」の失敗には何か理由がある筈です。ボーグがユーザー登録カードを送った形跡はありません。そのため計画の部分が迂回されたとも考えられます。

ライカー:艦長! もう選択の余地はありません。緊急脱出シークエンスF3開始の承諾を要請します!

ジョーディ:ちょっと待って下さい! 艦長、突然やつらのCPUキャパシティが0パーセントにまで落ち込みました!

ピカード:データ! センサーには何と出てる?

データ:ボーグはウインドウズ内の「ソリティア」と呼ばれるモジュールを発見したようです。このプログラムが彼らの機能を減退させているようです。

 

     2時間経過     

 

ライカー:ジョーディ、ボーグの様子はどうだ?

ジョーディ:予想どおりです。ボーグはCPUの圧迫と容量不足に対応するために再エンジニアリングをしていますが、そのつど私がセットアップした監視ビーコンを通して、「マイクロソフト ファン・パック」と呼ばれるものから更にウインドウズのモジュールが転送され、リソースを上昇させています。

ピカード:どのくらい持つ?

データ:現在のボーグのソリューションレートでは、6時間の時間的余裕があります。

ジョーディ:艦長! 別の艦がこのセクターに進入してきました!

ピカード:確認しろ!

データ:船は「マイクロソフト」のロゴに非常によく似た塗装をしています。

スピーカー:「コチラハ まいくろそふと共同体 旗艦 ものぽりー号ノ びる・げいつ提督ダ。 ワレワレハ コノ せくたー内ニ 登録サレテイナイ そふとうぇあノ 存在ヲ 確認シタ。 スベテノ そふとうぇあ資産ヲ ヒキワタセバ、 コチラモ とらぶるハ 回避スルダロウ。 10秒ノ 猶予ヲ アタエル……」

データ:未確認の船は、前方のハッチを開き多数のヒューマノイド型の物体を放出しています。

ピカード:ビューワ拡大!

ライカー:そんな馬鹿な……艦長! 人間が、なんのライフサポートもなしに、まっすぐにボーグ艦に向かっていきます! どうやって……!?

データ:副長、あれが人間であるとは思えません。あれはアルマーニのスーツを着て鹿革のブリーフケースを持った二十一世紀の男性に似た何かです。

ライカー・ピカード(すくみ上がる):弁護士だ!!!

ジョーディ:ありえない! 全ての弁護士は2017年の「大覚醒」のさなか、全て駆除されて太陽の中にほうり込まれたはずだぞ!

データ:その通りだ。しかし、何体かは生き残ったに違いない。

ライカー:やつらはボーグ艦を包囲してなにか紙の様な物を貼り付けているぞ?

データ:あれは古代の言葉で「レッド テープ」と呼ばれるもので、しばしば「差し押さえ」の証しとなるものです。

ライカー:彼らはボーグをそれで封印しているのか!

ピカード:ビューワ、オフだ。私はこれ以上観るのは耐えられん……ボーグ以上にだ!


Originally Translated in: '98.12.31.







はーい! おもしろかった? じゃあんね〜い。



訳注1:「パラドックス作戦」は確か第5シーズンのエピソード“ボーグ・ナンバー3”だかに出てくるはず。
訳注2:マイクロソフト“株式会社”(コーポレーション)を“共同体”としたのは、シャリアック共同体(コーポレート)を意識した故意の誤訳です。

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