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ONLINE: 000713
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Once & Again
ワンス アンド アゲイン
Once & Again


 夫と別れ2人の娘を持つリリー。妻と別れ思春期の息子の父親であるリック。子供の学校で偶然顔を合わせたふたりは、恋に落ちた。
 シングルペアレンツとして人生のおり返し地点に近づいたふたりの、新しい恋と生活を描くシリーズ。



Episode #1
ファーストインプレッション(第1話)

 アメリカ99年シーズンで早い時期からヒットをあげた作品。フェリシティドーソンズ クリークなどの若者向けPWKWP (Prety White Kids With Problem) 番組のカウンターとして最近流行しているらしい、プロヴィデンスジャッジング・エイミーといった「子供を持つ自立した大人」を描くドラマの一種と考えて良いと思う(主人公は男女カップルだが)。

 しかしこうしてみると実にわかり易いというか面白いというか、「クリーク」・「バフィ」→「フェリシティ」・「ジャック&ジル」→「アリー」→ちょっと世代を置いて→「プロヴィデンス」・「ワンス&アゲイン」と、きっちり世代別に番組が作られている。ちなみに抜けている「30代」の部分には「セックス&シティ」が入ってもいいけど、あれはかなり番組の方向性というか主人公たちの生き方が違うので抜いておこう。これら一連の作品に共通するのは、警察や病院を舞台にしたジャンル群像劇ではなく、主人公の生き方(=恋愛)そのものを中心に据えた作品であること、そして主人公たちが全て美形の白人であることだ。僕は勝手に「新世代ソープオペラ」とか「シロモノ」と呼んでる。だってホントに白人ばっかなんだもーん。

 まあこれらのジャンルとしての批評はおいといて、えらく評判の良い本作である。プロヴィデンスも相当誉められてたが、こっちはもっと凄いらしい、とニュージーランドまで聞こえている。シングルペアレンツの苦しみを率直に表現し、また彼・彼女の大胆な恋愛を巧妙に描いているらしい。国民の半数以上が離婚暦のあるアメリカで、前者は深い共感を生み、後者はテレビならではの理想のファンタジーとなっているのだろう。

キス

 第1話を観たところ、まあ前評判通りの作品だと思う。画像はやけにクローズアップが多かったけど美しく高級で、演技も初回からしっとりと美しい。リリーの反抗期の娘に対する感情は共感できたし、やはり白眉なのはリリーとリックがセックスに至るまでの会話・表情・身振り。お互いに40歳になっても、20代の頃のように不器用に動く、恥かしさと楽しさが、それはもうリアルに描かれている。お互い半ば気づいているのに繰広げられるたわいも無い腹の探り合いの会話だとか、キスの時にリックがどこまで顔を近づけるのかとか。あの前に突き出した首の角度がまたビミョーに情けなくてこそばがゆくて……。この辺の表現の巧さ・細やかさは、さすがだ。

 しかし残念な点もある。思春期のイラつきをぶつけてくるローティーンの娘に、リリーが懸命に対処するプロットがあるんだけど、最終的なまとめが実にありがちな「母親の涙声の告白」で終わってしまっている。娘の理性の無い感情は痛いほど伝わってきてるわけで、それにいかに母親が答えるかはこちらの感情が最も移入できている部分なんだけど、ここで何かハッとさせられるモノが欲しかった。ドラマとして新鮮さに欠ける。しかしこれはジレンマで、もしここで僕が膝を打つような美しいオチをつけたら、逆に本来の視聴者層の共感を失ってしまうかもしれない。等身大の母親を描くなら、敢えてベタベタのオチの方が良いのかもしれないけれど……。うーん。

 さて思うのだが、最初に列挙したこのテの作品の多くは、始まってすぐにひどく人気が出るが、またすぐに衰えてしまっているのではないのか。クリークは僕は最初からダメだと思ってたが、3年目の今やっぱり相当ダメになっていて、視聴者に飽きられているらしい。フェリシティも同様な気配だ(放送曜日が変わったのが響いたと聞くけど)。僕はやはりどの作家も、メロドラマ的な部分のみに頼っていてはパワーを持続できないのではないかと思う。なにかもう一本、シリーズを支える柱がないと。

 対象年齢がかなり上にある本作は、キャラの生き方もかなり大人になってるわけで、派手さには欠けるがしっとりとしたペースで巧いことやってけるかなあ、とも思う。この世代の恋愛の表現方法はまだまだ開拓の余地があるだろうし。……だが、やっぱりそれほど期待していないのだ。もう一本の柱たるべき親子関係のパートで、今回のようなありきたりの説教シーンがこれから同じように繰広げられるのなら、僕には退屈なドラマになるだろう。世代的共感の乏しさを差し引いても。

 さてさて、どうでるか。ビデオ前録はしないけど、一応チェックは続けようかと思う。久々の新番組だし、フェリシティの時のように3話で見限るという結果にはなって欲しくない。

放送: '99. 09. 21. (第1シーズン)
脚本:Marshall Herskovitz / Edward Zwick
監督:Marshall Herskovitz

ONLINE: 00.07.13.

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